モールス通信(CW)を始めるにあたって必要なもの
- jj1ivu
- 2021年9月9日
- 読了時間: 4分
更新日:5月7日
今回はアマチュア無線でモールス通信を始めるにあたって必要なものを列挙したいと思います。
1,第三級以上のアマチュア無線技士免許またはそれと同等の効力を持つ無線従事者免許証(4級ではモールスを扱えません)
2,無線局免許状
3,無線機
4,アンテナ
5,電鍵
6,電源
以上が物理的に必要なものになります。
①の従事者免許は基本的に第三級の従事者免許を取ることで条件をクリアできます。
3級までの試験は小学生でも簡単に受かるような試験なので高価な講習会ではなく、安価で毎月開催されている国家試験での受験をお勧めします。
従事者免許は総務省に申請してから2週間程度で手元に届きます。
②の無線局免許状は従事者免許状が手元にないと申請できませんので、①を先に取得してから総務省に申請を出します。この時に無線機の技適番号が必要になりますので申請の前に無線機を購入する必要があります。
約1か月で総務省から無線局免許が発給されます。
詳しくは総務省のサイトや開局を解説しているサイトをご覧ください。
③の無線機はオールモード機と呼ばれる機械を購入する必要があります。
ハンディ機では通常のモールス通信は行えません。
八重洲無線ではFT891,FT991A,FTX-1F
アイコムではIC705,IC7300,IC7100
ケンウッドではTS590
等が比較的手ごろなオールモード機だと思われます。
古い機械を安価に入手する方法もありますが、モールス通信を快適に行うためにはCWフィルターと呼ばれるオプションが入っているかIFDSPを搭載している必要があるので今回の場合はお勧めしません。電話しかやらないなら良い選択肢だと思います。
お勧めな機械はFT891で実売6万程度で買えるので一番コスパが良いと思います。
④のアンテナは一概にこれが良いとは言えないのですが、初心者にお勧めするのはダイポールアンテナです。
これはバランとワイヤーで構成されたアンテナで7mhz用であれば10mの電源コードを引き裂いて作成できます。バランは自作記事が多数上がっているのでそれを参考に作れば3000円程度でアンテナが作れます。
家で張るとなるとちょっとデカすぎるのが難点ですが、適当に張っても案外SWRが落ちるので楽に運用できます。
モービルホイップもちゃんとアースが取れればそれなりに飛んでいくので選択肢としては有りかと思います。
⑤の電鍵はモールス符号を打つ際に使うものです。
これには大まかに縦振り電鍵、バグキー、エレキーの三種類があります。
お勧めはエレキーです。
符号が簡単かつ綺麗に打てるので初心者でも練習しやすいかと思います。
ハイモンド社のMK706が一番安価ですが打ち心地を考えた時にはCQオームでCW-ONE-jrあたりが良いかと思います。
⑥の電源は無線機にDC13.8Vを供給するために使うものです。
家やコンセントが使える場所ではアルインコのDM-33OMVがおすすめです。
外で移動運用するときには鉛バッテリーがおすすめです。
詳しくは以下の記事に書いていますのでご参照ください。
ここまでは物理的に必要なものについて述べてきましたが、モールス通信において最も重要なのは聞き取る能力です。
こればっかりは聞き取り練習しながら鍛えていくしかありません。
練習用テープの音源がyoutubeに上がっていたり練習用フリーソフトがネットに上がっていたりしますのでそれらを使って自分で練習します。
ある一定のレベルまで達すると驚くように聞き取れるようになるのでそこまでは頑張って練習するしかありません。
大体3~5か月で普通の速度で送受信できるようになります。
ただ、一人でこれをやっていても挫折する可能性が高いので知り合いか家族と一緒にやるのが良いかと思います。
ここまで上げてきたことを金額に直すと
①約7000円
②2900円
③60000円
④約1000~10000円
⑤約12000円
⑥約5000~16000円
より大体10万円前後は掛かってしまいます。
かなり高いので学生などにとってはかなり厳しい値段かと思います。
なので最初からモールスをやるのではなく音声通信からステップアップしてモールスを始めることをお勧めします。
開局をハンディ機で行うと最安で3万円程度で開局できます。
また、古い機械を安く買って保証認定を下せばHFにもそのくらいの費用で出ることも不可能ではありません。
あとは地元の地域クラブに問い合わせてみるのも一つの手段だと思います。
地域クラブはJARLの各都道府県の支部のページに一覧がありますので近くの地域クラブに是非問いあわせてみてください。
モールスがやりたい事を伝えると歓迎してもらえると思います。
仲良くなると先輩方からいろいろ機器を融通してもらえたり運用のイロハを教えてもらったりすることができると思います。
ここまで色々書いてきましたが、モールス通信はとても面白いので始めてみることを強くお勧めします。
お空でCWで繋がれる日を楽しみにしています。

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